PLAYGROUND | スニーカーショップ

2023/10/13 13:08



この度、PLAYGROUNDはこれまでの5年間で取り扱ってきたNIKEのスニーカー・珠玉の100足をセレクトし、それをまとめた本を出版します。全200ページ以上、100足の紹介、特別コラムなどもある読み応えのある1冊です。出版にあたり、PLAYGROUNDのデザイナー草賀、ディレクターの松本に話を聞きました。



ー まず、本を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

松本:2018年にお店をオープンして、約5年間の中でさまざまなREUSEのスニーカーを扱ってきました。その中でも古いとか、新しいとか、レアとか、そこに関わらず良いスニーカーというのはたくさんあるということを実感できたんですよね。それが時代やトレンドによって注目されなくなっていくのに寂しさを感じているのと、世の中に対してもっと知って欲しい、という気持ちもあったので、NIKEだけで100足を選んで出版してみようということになったんです。なんだかんだで1年くらいかけて出版に漕ぎ着けました。

草賀:そうですね。僕はスニーカーコレクターであるという一面を持ちつつも、PLAYGROUNDというショップを運営しているからこそ「このモデルは手元に置いておきたいな」みたいなモデルが当然あるんですよ。けれど、そういうスニーカーもお客さんに履いて欲しいから販売するんですよ。もちろん売っちゃえば手元からなくなってしまう。その寂しさを埋めるためっていうわけではないんですけど、そういった思い出を本として形に残せたらなと思ったのがきっかけですかね。

それと、今の時代はデジタルで情報収集ができる時代じゃないですか。けれどやっぱり僕が高校生だったり大学生だったりの頃はもちろんデジタルで収集なんてできないわけですよ。そうなってくると情報源は雑誌。当時はそれこそ古着屋とかに買い物に行って、わからないモデルがあったら、家に帰って雑誌を読み漁って「これこういうモデルなんだ」ってのを知る。それが紙媒体の面白さだったんですよね。そういった面白さをPLAYGROUNDとして紙媒体で伝えられたら良いなって思いもあります。今のスニーカー好きにとっての辞典みたいな存在になってくれると嬉しいですね。

松本:良いスニーカーショップがたくさんある中で、後発でスニーカーショップをやっている身としては、やはり他のお店がやっていない試みをしたいという気持ちも強かったですね。



ー 本を作るにあたってこだわった点はありますか。

松本:自分たちで文章を書いて、自分たちでデザインをして、自分たちでお金を出して自費出版することにこだわりました。今の時代ならではの作り方があるとするなら、自費出版することがPLAYGROUNDらしいなと。次にデザイン。デザインについてこだわったのは一番は表紙ですかね。これは今やPLAYGROUNDらしいと言っても良いと思いますが、スニーカーをインスタで紹介する時にグレーバックで写真を撮っているじゃないですか。それとリンクするように表紙をグレー1色にしました。

また、掲載されているスニーカーの撮り方もこだわりの1つかなと。これは5年間試行錯誤して生まれた1つの成果なんですよ。横に倒したり、紐を解いてみたり、たまには正面から撮ってみたり。スニーカーを一番よく見せられる角度はどこかを追求して生まれたこのスタイルも、こだわりかなと思います。スニーカーの紹介文章に関しては僕はほとんどは手を加えず、草賀さんに一任しました。これもこだわりですね。うんちくというよりかは草賀さんの主観というか、なんでその靴を選んだのかを「選んだ人が伝わる文章で書く」ことがこの本にとっては重要なのかなと思いましたね。

草賀:そうですね。文章は僕もこだわりました。松本さんが言ってくれたようにうんちくではなく、僕の主観をメインで書かせてもらいました。なんでその靴を仕入れたのかとか、こののディテールが格好良いんですよとか。なのでこの文章を通して僕の気持ちというか、どういったことを考えてセレクトしたのか。そう言ったことを感じてもらえると嬉しいです。また100足選ぶのも大変でした。PLAYGROUNDらしさというか僕らしさというか、それを全面に押し出せるようなセレクトをしました。100足の中にはみなさんが知っているようなモデルもある一方で、マニアックでこの辺を知っている人はいないだろうな、っていうモデルも混ぜて選びました。実は一足だけモデル名も何も全くわからないモデルも入っています。海外のコレクターに聞いてもさっぱりで。そう言った1足をセレクトしたのも僕らしくPLAYGROUNDらしい。僕の伝えたい100足がここにありますって感じです。

松本:そういえば構成も大変でしたね。最初のページで目次を入れたり、巻末にはA to Zの並び順を入れて辞典として見やすいような構成にはこだわりましたね。

草賀:構成でいうと僕も100足の並び順はこだわりポイントですね。A to Zではなく、年代順で。こうすることによってこの年代のNIKEはこういうデザインが好きだよねとか、この年代のらしさってあるよねだとか。そういうNIKEのデザインの移り変わりなんかも感じてもらえるようにしました。

松本:そのほかにも特別なコラムと偉人の言葉は入れたいなと思っていました。コラムに関しては南井正弘さんと小澤匡行さんに、是非書いて欲しいと名前をあげてお願いしました。スニーカー界を代表するお二人だったので、自由なテーマで執筆いただきました。コラムが入ることで、書籍として更に面白くなったと思います。

それと偉人の言葉、冒頭に入れてるマイケル・ジョーダンの言葉です。「何かを始めるのは怖いことではない。怖いのは何も始めないことだ。」これを僕はすごい気に入ってて、僕と草賀さんで店を始めて、やっぱり「アクションしないと何も始まらない」っていうのは身を以て実感してるんですよね。ショップの運営にあたって、一貫してアクションしてきたっていう自負は僕らの中に強くあります。お店の運営ってことだけでなくて、この「本を出す」っていう行為もそうで、お互い時間の合間合間で少しずつ行動に移して完成した本なんですよね。だからこの言葉はこの本を指す言葉であり、PLAYGROUNDを指す言葉でもあるなってのはしみじみ感じましたね。



ー 完成してお2人は何を感じましたか。

草賀:もう感無量ですよね。ただただ感動です。完成版を見た時はグッときました。作ろうぜって松本さんと話してから時間も労力もめちゃくちゃかけてやっとできた。その上で超格好良い。やべえなってのが一番ですね。超嬉しかった。

松本:僕もとにかく嬉しいです。やっとできたっていうのが一番ですね。ただその反面、やっぱ疲れたなってのも思いましたね。印刷屋さんとのやりとりもそうですし、もちろんデザイン面のブラッシュアップとか文字校正とか、やること多くて大変でした。ただ、自分たちが言いたかったことがまとまっているなと感じています。なので、PLAYGROUNDを知らない人にも手に取ってもらって、PLAYGROUNDを知ってもらえる良い機会になれば良いなと思いました。読んでくれた方はインスタグラムのDMでもLINEの問い合わせでも良いので気軽に感想いただけると嬉しいです。

草賀:これ多分英訳の大島くんも大変だったと思うよね。デザインのやり取りで文章量の話がよく話題に上がっていたんですよ。「ここあと10文字足してくれ」とか「ここ4行にまとまりませんか」とか。構成上必要な文字数というのがあるんですよね。日本語は続詞とか言い換えでなんとかなったりするんけど、英語だとそこは難しかったって言ってましたね。



ー 「もう少しこうしていたら」みたいなポイントはありますか。

松本:僕からは2つですね。1つ目は本当に申し訳ないんですけど、クレジットのところに全ての写真を撮ってくれたカメラマンの新江さんを載せ忘れてしまったこと...。ホントにすいません。。「 All photo by Shine Shuhei」なのでここはこの場を借りて言っておきたいところです。
もう一個は値段の注釈を入れ忘れたことですね。「プライスは全てPLAYGROUNDでの販売価格です」ってのを入れ忘れました。なので当時の定価ではないです。

草賀:僕からは特にはないですね。松本さんが言ってくれた2点くらいかな。最高の出来だと思っています。

松本:もっとうまく書けたら...と思ったのが、AFTERWORDの文章です。短いですが気持ちを込めて書きました。草賀さんと共に歩んできたPLAYGROUNDというショップのストーリーも、この本を通して感じてもらえたら嬉しいなと思います。

ー 最後に言っておきたいことあればぜひ。

松本:じゃあ僕の方から。まず初めに、関係者の皆様、本当にありがとうございました。ようやく完成しました。ぜひぜひ多くの方に読んで欲しいので、まずはPLAYGROUND並びに取引先での販売となりますが、追ってamazonでも販売しますのでしばしお待ちください。イベントやトークショーも企画したいと思っています。そして、本の中にも書いたPLAYGROUNDのコンセプトの1つでもある「トレンドに左右されすぎない」ということ。ある程度はトレンドに左右されるにしても、「自分らしいスタイルを持つ人」がどんどん増えてくれると良いなと思っています。この本がスタイル作りの後押しになれば嬉しいです。

草賀:松本さんの言った通りだと思います。僕はスニーカーの業界にいてすごく楽しいんですよね。いろんなブランドがあって、いろんなスニーカーがあって、それぞれのスニーカーにそれぞれの良いところがあるし。流行りがあるのはもちろんわかるし、僕自身も意識はしますが、もっと自由に履きたいものを履けば良いじゃんっていうスタイルを意識して欲しい。周りの意見を気にせず好きなスニーカーを履いて、街を闊歩して、スニーカーライフを楽しんでほしい。自由な解釈の出来るスニーカーの魅力を、僕らが少しでも伝えられたら良いなって思うし、そんなきっかけにこの本がなってくれたらと思っています。



南井正弘_Masahiro Minai
小澤匡行_Masayuki Ozawa
大島啓太郎_Keitaro Oshima
新江周平_Shuhei Shine

草賀雄介_Yusuke Kusaka | PLAYGROUND DIRECTOR / pg DESIGNER
松本龍彦_Tatsuhiko Matsumoto | PLAYGROUND DIRECTOR